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桜舞い散る君想ふ【ONE PIECE/鬼滅の刃等短編集】

第17章 サヨナラ幼馴染【宇髄天元】





二週間前、私は好きな人にフラれた。
しかも、想いを伝えずしてフラれると言う最悪のパターンだ。


好きな人の名前は宇髄天元。私の幼馴染。
昔からその容姿を武器に数々の女と遊んできたその男は女の敵!!と思っていたけど、本当はずっと好きだった。


好きだと気付いたとしても、私たちは幼馴染。
小さい頃からふざけ合ってきた仲で、家なんて隣同士。家族ぐるみの仲だ。
気まずくなってしまえば、それこそ家族にまで影響が及ぶと思って関係性を崩すことをずっと恐れていた。


そんな天元の家に上がり込むのも幼馴染の特権だ。彼が帰って来る前に上がり込み、部屋で寛げるのもまた幼馴染の特権だ。



昨日もまた彼の部屋に上がり込み、ベッドでスマホゲームをして待っていた。
おばさんが持って来てくれたお茶を啜りながら天元を待っていると、30分ほどで帰ってきた彼に大きなため息を吐かれる。



「…またいた。お前な、パンツ見えてんぞ。」


「何よ、文句ある?」


「ある。女連れてきてたらどうするつもりだよ。責任取れよ、おい。」


「え?!いるの?それなら帰る!」




慌てて後ろを振り向いて見てもそこには天元ただ一人。そこに女の姿はない。
ホッとして天元を見れば荷物を置いて、私のためにおばさんが持ってきてくれたお茶を一気飲みされた。


「お前な、来るなら来るって言えよ。」


「だって突然思い立つんだもん。」


「短ぇスカートで男のベッドに寝んな。」


「あら、私と天元の仲じゃない。気にしない気にしない。」


仁王立ちをした天元がじーっと見下ろして来るのでその視線に耐えかねて体を起こした。



「…分かったって。何、機嫌悪い?彼女と別れた?」


「…今いねぇわ。」


「え?そうなの?じゃあ、可愛い幼馴染がなってあげようか?ふふ」





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