第1章 憎い敵・・・でも、好き【赤頭巾】
sideエレン
俺は今日も走り続ける・・・。
この、嫌な相棒と・・・!!
「おいお前、なんか俺に対して嫌味心の中で思っていただろ?」
(なんで、コイツはこういう所は凄く分かるんだ!?)
そんなことを思いつつ、俺は何事もないかのように振舞う
「別に思ってねーよ!」
「てめぇの嘘は丸分かりなんだよ!!ほら、また耳が赤くなってる!」
そう言いながら俺の耳を引っ張るジャン
「またか!」
思わず、耳を隠すように手で覆いながらこの耳が赤くなるクセなおらないかななんて真剣に考える
そう、嘘をつくと耳が赤くなる・・・、生まれながらにそうだったらしい・・・。
「ってか、お前もう少しで連絡があった場所だ。静かにしろ。」
今までの騒いでたあいつはどこやら、真面目な顔をして・・・
「分かってるよ。」
俺も確かに異論はなく大人しく従った
そう、そんな話をしている場合ではないのだ。
俺達・・・、いや、俺とジャンはいま任務遂行のため森に来ているのだ。
任務とは、狼が森にいるという連絡を聞いたため“その狼がいるか、また、いたら抹殺すること”というものだった
唯でさえ、気を抜いてはいけない場所だ。
静かにし、意識を集中させなければ・・・・・・
そんな時だ。俺が彼に初めて出会ったのは―――――。