第16章 男は度胸/向日岳人
「ひゃっ!」
「こんなん見せられたらさぁ…、俺だって男になっちゃうでしょ?」
岳人はそう言って、私の透けた谷間を人差し指でツーとなぞった。
「やっ…岳人…だめ…」
「ここで言うダメはいいって意味だったよな…確か…」
「え…?岳人、今何て…?」
私がそう言うと、岳人は私の唇を貪るように激しいキスをした。
不慣れな感じのぎこちないキスが幾度となく降り注ぐ。
「んっ…がくとっ…」
私は岳人の腕をギュッと掴んで岳人の気持ちに応えた。
「服濡れてて冷たいだろ?早く脱いだ方がいいぜ。」
「!?へ、変態!!」
私は少し声を荒らげて胸元を隠した。
「今更遅い遅い。もうピンクなの分かってるし、どうせこれから脱がせるつもりなんだし。」
「も、もう!デリカシー無さすぎだよ!」
「悪かったって!俺初めてだし、分かんねーんだよ。お前自分で脱ぐのか?それとも俺が脱がせた方いいのか?」
岳人は少し照れながら、でも真剣にそう私に問い質した。
「〜〜っ!じ、自分で脱ぐから、岳人後ろ向いてて!」
「わ、わかった…。」
岳人が素直に後ろを振り向くのを確認すると、私は恐る恐る服を脱いだ。
「…な、なんか脱いでる音だけ聞こえる方が興奮するな。」
「だから…そういう事いちいち口に出さないでよ…恥ずかしいよ…」
私がTシャツを脱ぎ終わり、残りの身に纏ったものをどうしようかと迷っていると突然岳人が振り返った。
「もういいだろ?もう俺待てないんだけど。」
「っ!も〜〜…!」
「ベッド、行こ。」
私は岳人のペースに振り回されながら、ベッドへと移動した。
「触っていいのか…?」
岳人が改まって聞いてくるので恥ずかしくなり、私は首だけで頷いて返事をした。
すると、岳人は迷いながらも私の胸に手を近づけ指の腹だけで押すようにそっと触れた。
「…すげー…やわらけー…」
今度は手のひらも胸に寄せて包み込むように優しく揉んだ。
「んっ…」
「声…かわい…」
私はそれを聞いて思わず口を手で抑えた。
「だめ…もっと聞きたい」
そう言って岳人は私の両手首を掴むと私の頭上で押し付けて抑えた。