第15章 言葉はなくとも/亜久津仁
「…ところで…。お前ガキは何人欲しいんだ?」
「え!?」
私は仁からの思いがけない質問につい声をひっくり返してしまう。
「お前が言ったんだろ。クリスマスはガキと楽しく過ごしてぇって。」
「う、うん…確かに言ったね。でも、全然考えてなかったよ!まだまだ先のこと…だと思うし…」
私は顔を赤らめながらしどろもどろにそう言った。
「お前、何照れてんだ。」
「照れてないけど…。」
「何想像してんだ。」
「何も…想像してない…けど?」
私は目を泳がせながら、脳裏によぎった邪念を振り払うようにそう言った。
「何…期待してんだ。」
「…っ…!」
全てを見透かすような仁の眼力にいよいよ誤魔化せなくなる。
「仁に抱かれるとこ…想像して…その…」
私は顔を真っ赤にしながらそう言った。
「上等だ。来いよ。」
そう言うと仁はニヤッと笑って長い腕を広げた。
空いた隙間に飛び込むように私は仁の胸に顔を埋めた。
仁は私を受け止めると、乱暴に私の頭を抱えた。
ぐしゃっと髪の毛をかきあげられ、そのまま引き寄せられるように仁の唇が私の唇を塞いだ。
仁の舌が侵入してくると、いやらしく私の口内を犯していった。
「っ…ふっ…」
私の口から快感を隠しきれない声が自然と漏れる。
「じ…仁…。ベッド行こ…?」
「チッ…この俺に指図するなんてな…」
仁はそう言いながら、私をそのまま持ち上げるとベッドへと運び覆い被さった。
「口開けろ。」
私の顎をクイッと掴んで見下ろしながら仁はそう言った。
仁の言葉通り、私はゆっくりと口を開いた。
すると再び仁の舌が私の口の中を這い回り、それは息苦しくなるほどだった。
「ん…は…」
私は息継ぎをするように声を漏らし、仁に抱きついた。
疼く両足を仁の腰に絡め、何度も降り注ぐ仁の激しいキスに応えた。
「仁…お願い…触って…?」
私は耐えきれず懇願し、涙を浮かべながら仁を見上げた。
仁は私の着ていたニットとキャミソールをまとめて掴み、乱暴にグイッと上まで上げた。
今日のために新調した真っ赤な下着を見つめて仁は少し口角を上げる。
「俺を誘う準備は万端だったって訳か。」
いつもより布の面積が少ないそれを下にずらすと、露になった膨らみをゆっくりと揉み始めた。
「んっ…あっ…」