第14章 猫/芥川慈郎
「ちゃん!名前…呼んでっ!」
俺は腰の動きを止めることなくそう言った。
「あ、芥川く…?」
「ジロー…って…呼んで…!」
「あっ…んんっ…ジ、ジロ…」
「ありがと…もう…出るよ…!」
そう言うと俺は素早く抜いて、ちゃんの太ももに白い液体を撒き散らした。
「あ…ティッシュ持ってないや…」
「私…あるよ…?」
そう言ってちゃんはポケットティッシュを俺に差し出す。
それを受け取ると、俺は太ももにかかった白い液体を綺麗に拭き取り、ちゃんの乱れた服を直した。
「…んー、眠い…。俺ちょっと寝るねぇ…」
「え!?芥川くん!?また寝るの!?」
「一緒に寝よう〜」
俺はちゃんをぎゅっと抱きしめた。
「ちょっ…授業が…!」
「…zzz」
「えー…もう…」
ちゃんは、諦めたように大人しく俺の胸に顔を埋めた。
-おまけ-
「岳人〜。」
部活の休憩中。俺は岳人の横に腰を下ろした。
「なんだよ、慈郎。」
「俺、ちゃんと付き合うことにしたよ〜」
「はぁ!?まじかよ!?」
あの後、どちらからともなく恋に落ちた俺たちはどちらからともなく付き合うことになった。
「くそくそっ!俺も狙ってたのに!」
「俺の猫ちゃんに手出さないでね〜」
俺たちは授業の隙間時間や、放課後部活が始まるまでの間によくデートをする。
場所はもちろん、俺たちの特等席で。
Fin.