第6章 第五話 復活の葉
「はあっ!!」
不二がグングニルを発動し、AKUMAへと飛びかかった。
続いて打ち込まれる彩音のイチイバルを見て、神田が叫ぶ。
「おい小鳥遊!俺の足元を打て!」
え!?と振り返った彩音は瞬時に神田の言いたいことを理解して、動きを封じている氷へと矢を打ち込んだ。
バリンと氷が砕かれ、神田も走り出す。
「周助!!」
彩音の声に、不二は神田に攻撃を合わせる。
3人の動きに翻弄され、攻撃を受けたAKUMAは、やがて大きく爆発して消え去った。
AKUMAが消滅したことによりユキサの体を封じていた氷が溶けた。
神田が近寄り、その上体を起こすとユキサがゆっくりと目を開ける。
少し速い呼吸に神田がユキサの額に手を当てた。
少し前から顔色があまり良くなかったユキサ。
案の定、体調を崩し発熱していた。
小さくため息をついた神田がユキサを背負う。
ごめんね、と聞こえたユキサの言葉に、神田は聞こえないふりをした。
「た、頼む…アレをくれ…」
ユキサを背負っている神田の傍へよろよろと近づいてきたのはフレイだ。
エルダが後ろから悲しそうにフレイを見ている。
まだ言うか、という神田を制して、彩音が前へ出た。
「あなたが救うべきなのは、エルダじゃないんですか。あなたは亡くなった息子さんばかりを見ていて、エルダを見ていない」