第6章 第五話 復活の葉
洞窟から出ると、青空が広がる。
「異常気象も収まって、いい天気だね~!」
空へと手を翳すユキサ。
神田がその様子を見ていると、突然六幻を構えて前へと出る。
え?と思った時には、ユキサたちの前にAKUMAたちが現れた。
「サア、そのイノセンスをヨコセ!!」
断る、というように神田が左へ駆け出す。
ユキサもデスサイズを発動させ、右へと走った。
「はあああ!!」
ザン!と左右のAKUMAを一刀両断する。
あっという間に倒れたAKUMA2体に、女のAKUMAが近寄った。
何を、と思った時、女のAKUMAが2体のAKUMAを吸収し始めた。
「なるほど。仲間を吸収し、強くなったか」
「サア…イノセンスをおよこし!!」
巨大化したAKUMAが、吹雪と氷のつぶてを発射する。
ユキサと神田はそれを避けた。
吸収したAKUMAの能力も使える事に顔をしかめる。
「ッ!…イノセンス、発動…!歌姫<プリマ>!」
防戦一方の神田とユキサ。
このままでは埒が明かないと、ユキサが大鎌を消し、歌姫を発動した。
そしてシールドを発動させようとした、その時。
ぐらり、と視界が歪む。
倒れ込むユキサに神田がハッとした時には、後ろからフレイに羽交い締めにされた。
「なっ…離せ!!」
「アレを、アレをよこせぇ!!」
身動きが取れない神田とユキサにAKUMAの攻撃が容赦なく襲いかかる。
地面を這った冷気は、2人の体を凍らせた。
(まずい、このままだと…!!)
と、視線の端で、何かが動いた。
―――――ピンク色の、ゴーレム。