第6章 第五話 復活の葉
「また天気が荒れてきたね…」
「…少し休もうか。また倒れられて戻る事になったら困る」
しばらくした頃、急に辺りが暗くなったかと思うと猛吹雪になった。
後ろから着いてくるエルダたちを見て、不二が言った。
そうして4人は、地面のくぼんだ所で吹雪を凌ぐ事にした。
はい、とエルダに手渡されたカップを受け取り、彩音と不二は小さくお礼を述べる。
フレイは、なんでこいつらなんかと…とぶつぶつ言ってたが、不二が呆れたような表情をした。
「着いてきたのはあなたたちです」
ム、とフレイが不二をじとりと睨む。
険悪なムードになりかけた所で、エルダがフレイに休むように提案した。
夕方になり、また熱風が吹き付けた頃。
彩音と不二は先に向かおうとしていた。
「ユキサも大丈夫かな」
暑さが苦手だと言っていた彼女。
こうも寒いのと暑いのが交互に来て、体調を崩してはいないだろうか。
「大丈夫だよ。ユキサは見た目の割に体は強いみたいだから」
でも早く合流はしないとね、と歩き出そうとした時。
後ろからがさりと足音が聞こえた。
振り返るとそこにはエルダの姿が。
「あの。…先に、行って下さい。ごめんなさい、父が失礼なことばかり言って」
私たちは大丈夫ですから、とエルダが言った。
「私は、復活の葉なんて信じていないんです。けれど父が…。弟が亡くなってから、思い込むようになってしまって」
「蘇らせたいのは、弟さんなんだね」
彩音の言葉に、こくりと頷くエルダ。
エルダの家は、4人家族だった。
ある日火事が起こって…。
足が不自由だった弟が逃げ遅れ、助けに入ろうとした父を止めたのがエルダ。
そのせいで、弟は助からず、亡くなった。
「あれから母さんは寝込んでしまって…父さんは私の顔を見ない。あの時の事を、後悔してるから」