第6章 第五話 復活の葉
あまり前線で動き回ることのない彩音の戦闘スタイルならば、邪魔にはならないだろう。
「周助もよく似合ってるよ~!」
彩音の言葉に不二はありがとうとお礼を言った。
不二の団服はほぼ神田と一緒のもの。
前線で戦う神田が着ているものならば、自分も戦いやすいだろうとの事で選んだのだ。
「彩音ちゃん、不二くん」
小舟に乗り込んだ神田とユキサに続こうとした彩音と不二が振り返る。
そこにはコムイの姿があり、両手にはOFFになっているゴーレムが乗っていた。
ピンク色の、兎耳がついたゴーレム。
もう片方は水色の、龍の尻尾のようなものがついたゴーレム。
2人用のゴーレムだった。
オシャレなゴーレムだなぁと呟いたユキサに、お前の程じゃねぇだろと神田が突っ込む。
「コムイさん、ありがとうございます!」
「いえいえ~!初任務、頑張ってね!」
いってらっしゃい、とコムイからゴーレムを受け取った2人は、いってきますと小舟へ乗り込んだ。
「さ、寒い……!!!」
「はい、彩音」
ガタガタと震える彩音に、不二が荷物からマントを取り出して渡す。
駅についた4人を迎えたのは、立っているのもやっとの猛吹雪だった。
汽車の車内で、途中から急に荒れてきた事には気づいてはいたが…。
まさかここまで酷くなるとは、と不二はユキサの方へ向いた。
神田とユキサは、ミヒャエルと名乗るファインダーと話をしている。
汽車から降りた時に風で蹌踉めいたユキサを見ていたからか、神田はさり気なくユキサの風上に立っている。
優しい部分もあるんだよねと思いながら、不二はユキサに近づいてマントを手渡した。
吹雪が止むまで待つかどうかという話になったが、ミヒャエルの話によれば、いつ止むかがわからないという。
それを聞いた神田は、吹雪の中、先へ進む事を決めた。
「前が見えない…」
「彩音、手を」
不二から差し出された手を、彩音が掴む。
彩音が前を歩いているユキサに大丈夫?と叫べば、かすかに大丈夫と返事が返ってきた。
ユキサの手は、その前を歩く神田の団服の裾を掴んでいる。
「!あれは…」