第6章 第五話 復活の葉
「寒いの苦手?暑いのは?」
入るなり問いかけられた質問に、ユキサと彩音はぱちくりと目を瞬かせた。
いえ、特には…と言う彩音に続いて、同意を示す不二。
だがユキサだけは、少しだけ考えこんでいた。
「暑いのは…苦手かもしれないです」
「そっか。じゃぁユキサちゃんにはちょっと我慢してもらわないといけないかも」
苦笑いしながら、コムイは続けた。
「ある村で、吹雪になったかと思うと、熱風が吹きすさぶ、という異常気象が発生している。おそらく、イノセンスが関係しているものだと思う」
探し出して回収するように、4人でね。
続けられた言葉に、やはり4人かと神田は眉を顰めた。
最近ではユキサと組まされる事が多かった神田。
だいぶユキサが任務慣れしてきた所で、今度は彩音と不二の世話係になったという事だ。
心底面倒そうにため息をついた神田に、コムイはにこやかによろしくねと手を振る。
彩音と不二にとっては初の任務。
少し緊張気味の彩音に、ユキサは頑張ろうねと声をかけた。
30分後。
どうして女はこうも準備が長いのか、と神田が少しイライラし始めた頃。
やっと地下水路にユキサと彩音がやってきた。
遅くなってごめんなさいと言うユキサと彩音。
不二が大丈夫だよと言い、2人の団服姿を褒めた。
ユキサは何度か任務に出た事はあったが、仮で貸してもらっていた団服だったので、その時の団服とは違う。
ユキサ用にぴったりなサイズになった団服は、羽のイノセンスを使う用に作られたのか、露出が高めの服だった。
露出が高ければ防御面も気になる所だが、羽を出すたびに服が邪魔になるのをユキサは嫌がった。
ユキサ自身、神田程ではないが治癒力も高めなため、とにかく戦いやすい服をオーダーしたのだ。
背中が開いたノースリーブに、腕を覆うつけ袖、ミニスカートにソックス、靴は先端が少しまるいショートブーツを履いている。
全体的にフリフリしているのは、ユキサの好みだという。
彩音の団服は、リナリーとほぼ似たようなデザインだった。
しかし露出を好まない彩音のスカートの丈は、膝ほどあり、靴はショートブーツを履いていた。