第6章 第五話 復活の葉
「ユウ~~!!!」
赤い髪の青年が、神田のファーストネームを呼びながら修練場へと入ってきた。
「名前で呼ぶんじゃねぇって言ってんだろ!」
「まあまあ、いつものことじゃ…」
青年の言葉が止まる。
バカウサギ!と怒鳴った神田の横にいる、ユキサと目が合った。
ス、ストライ~~~~~ク!!!!!
気づいた神田が、いち早くユキサの体を引っ張る。
目をハートにしながらユキサに飛び込んできた青年は空振り、そのまま修練場の地面へ飛び込んだ。
「だ、大丈夫ですか?」
見かねた彩音がうっかり声をかけて手を差し出してしまうと。
「あはは~大丈夫だいじょ…」
ダブルストライクさ~~~~!!!!!
叫びながらガシッと彩音の手を両手で握る。
彩音が小さな悲鳴をあげたとほぼ同時に、不二が青年の手をひねり上げた。
「何をしてるのかな…」
「いっ!たたたた!!!痛いさ!ギブギブギブ!!!!」
半泣きになっている青年を見て、ユキサが神田に誰?と聞けば、知らんと即答。
でもさっき神田の名前を呼んでたような…。
ユキサが首を傾げていると、青年が涙目になりながら神田に助けを求めていた。
「そりゃぁないさユウ~~~!!オレたちの仲だろ~!」
「少なくとも俺は認めた覚えはないがな」
それで、何の用だ。
神田がギロリと睨みつけると、青年がピタリと動きを止めた。
かと思うと、不二の手からするりと抜け出す。
その動きに彩音が驚いていたが、不二とユキサはさほど驚いてはいなかった。
「コムイからの伝言。4人一緒にいたからちょうどよかったさ~」
次の任務について話があるから司令室に来い。
それを青年は伝えに来たのだった。
4人一緒ということは…。
「…俺は世話係じゃないんだがな」
「しょうがないさ~。コムイが、日本人である2人はユウと一緒の方が気が楽なんじゃないかって言ってるさ」