第5章 第四話 黒の教団壊滅事件!?
おまけ
「ほらぁ~!お前たちも遠慮なく飲めよぉ~!」
一時間ほど経つと、食堂にはちらほらと酔っ払いが出始めてきた。
リーバーがアレンに絡んでいるようだ。
彩音や不二の前のテーブルにも酒をドン!と置く。
普段忙しい身であり、こんな時くらいしか羽目を外せないのか、団員たちの騒ぎようは凄かった。
「リーバーさん…飲み過ぎなんじゃ…」
「あ、僕たちはまだ未成年ですから…」
丁寧に断ろうとした不二だったが、リーバーがあん?と変な表情をした。
「ユキサならともかく、お前たちは飲めんだろ」
そう言って年齢を聞いてくるリーバーに彩音と不二が18と答える。
やっぱ飲めんじゃねーか!と言われて、2人はそういえばここは外国だったと思い出した。
15のアレンもよくクロスに飲まされていたのか、飲めなくはないようだ。
本人はかなり嫌そうにしてはいるが。
ふと、ユキサが不思議そうに首を傾げた。
「15で飲んでいいのなら、私も飲めますけど」
ピタリ、と周囲が動きを止めた。
珍しく、神田も目を見開きながらユキサを見ている。
「ユキサ…、何歳なの…?」
「15です」
彩音の問いに、キッパリと答えたユキサ。
どうりで、見た目の割にしっかりしているわけだ。
ユキサの外見はかなり幼い。
幼いというより、小さくて細いのだ。
すると何を思ったのか、周囲がユキサに泣きながらたくさんの料理を押し付けてくる。
いっぱい食べるんだぞーーー!等と言われてあたふたしていた。
「よし!ならユキサも飲め!」
嬉しそうに酒を差し出すリーバーに、ユキサはせっかくだからと受け取る。
しかしそれが口元まで運ばれる事はなかった。
スッ…と横から奪い取られ、その酒は飲まれてしまう。