第5章 第四話 黒の教団壊滅事件!?
「話は後です!アイツをなんとかしないと…」
アレンの言葉に、神田がゆっくりとコムリンを見る。
弱点さえわかれば…と呟くアレンに、神田は知っていると答えた。
「そ、それはどこですか!?」
「盆の窪、だな」
ぼんのく…え?とアレンが疑問符を浮かべる。
どこの事ですかあああ!と叫ぶアレン。
と同時に息を切らしながら不二が追いついた。
不二の姿を見たアレンが再び叫ぶ。
「不二!盆の窪って何処か分かりますか!?」
「!(そこが弱点か)盆の窪っていうのは…」
首の後ろの、くぼんだ所…!
バッとイノセンスを構えて、アレンと不二が飛んだ時だった。
フッ―――――!
2本の吹き矢が、アレンと不二に刺さった。
「アレーン!不二ー!!」
その場に力なく崩れ落ちる2人に、リーバーが叫ぶ。
吹き矢を飛ばした犯人、コムイは未だにコムリンの破壊を拒んでいた。
面倒事に巻き込まれたくない神田は、その場を去ろうとしていた。
そのうち止むだろう、この騒ぎ。
コムリンの手が伸びてきて、アレンを捕らえる。
その様子を見ながら不二が呟いた言葉に、神田が足をピタリと止めた。
―――――ユキサ。
「なに…?」
神田が眉を顰めた。
あの中に、彩音とユキサが…体が麻痺して上手く舌が回らない不二の言葉は、しかしはっきりと神田には届いていた。
「六幻…」
スラリ、と構える。
気づいたコムイが取り押さえられながらも再び吹き矢を飛ばしたが、神田は刀で弾いた。
そして駆け出す。
―――――ヒュ…ッ!
スパッと、コムリンの首が落とされたのだった。
やっと活動が止まったコムリンに、ホッと一安心の面々。
目を覚まして駆けつけたリナリーが手術室の扉を破壊し、リナリーと神田が覗き込んだ。
神田は手前で気を失っている彩音をリナリーに預け、奥にいるユキサを引っ張り出す。
2人は色々な機械を付けられていたが、呼吸は安定していた。
機械を外しながら、神田はふとユキサの目が開いていることに気づく。
「おい」
視線は下へ向けられていたが、焦点が合っていない。
声をかけるとユキサはゆっくりと神田の方へ向いた。
「かんだ」
手を伸ばし、ギュッとしがみつく。