第5章 第四話 黒の教団壊滅事件!?
「どうしよう…このままじゃ…」
思い切って壊そうか。
コムイは泣き喚くだろうが、この状態もいつまでもつかわからない。
よし、とユキサがプリマ<歌声>を発動した時だった。
「っあ…!」
「ユキサ!?」
びくんと体を揺らしたかと思うと、羽が解け、その場に崩れ落ちた。
―――――イノセンスが、解けた…?
羽に、イノセンスを制御する注射を打たれたようだった。
そのまま彩音にもその注射が向かう。
「い、い、い……」
いやあーーーーーー!!!
「彩音!?」
コムリン内からのただならぬ叫び声に、不二は唇を噛む。
現在、倉庫から出て再びコムリンを追っている所だった。
ジョニーのお掃除ロボットで戦う作戦は、何の意味も成さずに終わってしまった。
先程、倉庫内でコムリンへ何度か攻撃を当てたが、やはりメイン回路を潰さなければコムリンは止まる気配がない。
再び逃げるアレンの前に、昇降機に乗ったリーバーたちがやってくる。
「待たせたな、アレン!」
そう言いながらリーバーがジョニー合図を送る。
何やらコンピュータを操作し、後ろでもエネルギーを供給していた。
昇降機から、大砲の先端が飛び出してくる。
中央の吹き抜けに追い詰められたアレンを捕らえようとするコムリンに、照準を向けた。
エネルギーが溜まっていく。
そして、それが発射される直前だった。
「撃つなああああああ!!!!」
そう言って上の階層から、泣きながらジョニーに飛びついてきたのは、コムイだった。
「3人がどうなってもいいんスかあああ!!!」
「コムリンは悪くないだろおおおお!!!」
騒ぎ出している中、ジョニーが渾身の力でレバーを引く。
しかしコムイに飛びつかれて前が見えないジョニーはどうやら別のレバーを引いてしまったようだ。
「あ」
瞬間、昇降機が大砲を撃ちながら物凄い速さで回り始めた。
かろうじて発射されているレーザーを避けるアレン。
教団内が大変なことになっているのを呆然とアレンが見ていると。
「何の騒ぎだ」
そこへ、神田が現れた。