第25章 第二十四話 アレンを追って
広い街中をひたすら走る。
スノーベルはユキサの気配を辿りながら前を飛んでいた。
「!!」
走っていた神田が不意に立ち止まる。
どうしたの!?と彩音が言ったが、神田は静かに一方向を見ていた。
「神田!?」
「…なんでもねぇ」
短く答えて再び走り出した。
「(今の気配は…)」
「はぁ、はぁっ…見つけた!!」
橋の下で、アレンが蹲っているのを見つける。
ユキサがその場に降り立ち、慌ててアレンへ近づいた。
「ユキサ…、追いかけて、きたの…」
「当たり前でしょ。アレンに会うために来たのに…」
痛みに耐えながらアレンが抑えている場所を見る。
六幻に貫かれたところ…。
不気味な羽がその傷を覆っている。
ユキサがゆっくりと触れた。
カッと眩い光が弾け、少しずつ痛みが治まっていく。
しかし意識が朦朧としているアレンの体が、ノアと同じ肌の色になっていった。
ユキサが慌てて叫ぶ。
「アレンダメ!起きて、眠っちゃダメ!!」
肩を揺らすがアレンの瞳が閉じられていく。
その瞬間、足元にAKUMAのゲートが開いた。
こんな時に…!とアレンを抱えながらユキサは大鎌を発動しようとした。
「ユキサ!」
聞き慣れた声が聞こえたと同時に、AKUMAに六幻が突き刺さる。
AKUMAが爆発して、ゲートはゆっくりと閉じた。
息を切らした神田を見てユキサが神田…と呟く。
腕に抱かれているアレンを見て、鋭い視線を向けた。
「2人とも!無事…。…!!」
荷物を抱えて後ろからやってきた彩音と不二は、アレンの様子を見てピタリと足を止める。
ノア化…!?
おい、と神田が手を伸ばすと、触るな!とアレンに払い除けられる。