第25章 第二十四話 アレンを追って
そんなアレンを押さえつけたまま、神田が言葉を続ける。
「まず1つだけ答えろ。あの鴉…ハワード・リンクはなんで死んだんだ?」
リナリーたちから話は聞いている。
だが、神田、彩音、不二はどうも腑に落ちていなかった。
「誰が殺した?おまえか?ノアか?」
アレンの驚きに見開いた目が、ちらりとユキサを見た。
瞬間、地面が揺れる。
『14番目ヲ感ジル…!!!』
「またAKUMA!?」
咄嗟に避けた3人と、空を飛んだユキサ。
バクン!とアレンが食われるが、すぐに退魔の剣で脱出した。
イノセンスを発動させた4人に、アレンが叫ぶ。
「いつ…?リンクはいつ死んだんですか!?」
教えてください、リンクは…!
その必死な問いかけに、やっぱりと彩音と不二は思った。
「やっぱりリンクを殺したのはアレンじゃなかったんだね!」
「アレンが牢を出てすぐって聞いたよ。駆け付けたルベリエ長官と衛兵が死体を発見したって」
「アレン…!」
名前を呼ばれてアレンが振り向くと、ユキサと目が合う。
こくりと頷いたユキサを見ながら、アレンがぎりっと歯を噛み締めた。
感ジル…14番目ヲ感ジル…!!
「AKUMAが多すぎる…!」
「こんな街中で…!」
イノセンスでAKUMAを倒すものの、次々とAKUMAが溢れ出てくる。
それを見ていたアレンが、大きくその場を飛んだ。
できるだけ人気のないところへ!とティムキャンピーに向かって叫ぶ。
アレン!と呼んだ彩音の言葉に一瞬ちらりと4人に振り向いたが、そのまま去っていった。
「待てコラ、モヤシ!!!」
「スノウ!あとから神田たちと追ってきて!」
アレンを追いかける!と言ってスノーベルをその場に留まらせ、ユキサも飛んでいった。
大きく舌打ちをした神田が六幻を構え直す前に、AKUMAのゲートが閉じていく。
「これは…アレンを追っていった!?」
「追うぞ!スノウ、ユキサを追え!」
「ま、待って2人とも、アレンの荷物が!!」
荷物なんてどうでもいい!と叫んだ神田に、それはだめだって!と彩音が言った。