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【Dグレ夢】TRICOLORE【長編】

第25章 第二十四話 アレンを追って


「そういえば前にジョニーから貰った薬が…」

がさごそとカバンを漁り、ユキサが取り出したその瓶は。

『コムビタンDⅡ』

「死んでもいらん」
「いらない」
「絶対飲まない」
「だよねぇ…」

苦笑しながら鞄にしまうユキサ。

「これからどうする…。あいつの請求書はこの街だけじゃねぇんだろ?」
「まぁそうなんだけど、もう少しこの街を探そうかと」
「え?どうして?」

手掛かりもないのに?と彩音が言った所で、わぁぁぁっ…と近くから歓声が上がった。
なんだろう?と彩音が言うと、奥を見ていた不二がピエロがショーをしてると答える。
気になったユキサがピエロを見た途端、走り出した。

「おい!!」
「え、なになに!?」

ユキサを追いかけて走り出した神田のあとを、彩音と不二も追いかけた。



ユキサは人混みをかき分けて一番前に立ち、ピエロを見上げた。
目が合った瞬間、ピエロの目が驚きに見開かれる。

「なん、で…」
「ユキサ!急に走るな!!」

ガシッとユキサの腕を掴んだのは神田だ。
その神田を見て、更に目を見開いたピエロ。
神田の後ろからは彩音と不二もやってくる。

「どうかしたのかい?」

急に走って…と言った不二にユキサが何か喋ろうとした時。
慌てたようにピエロがユキサの前に帽子を裏返して突き出した。
あ、これってお金入れるんだっけ?と彩音が財布を出す。

ユキサが黙ってピエロを見つめていたが、その横で神田もピエロを睨んでいた。

「神田?」
「…なんかものっっすごい斬りてぇ」

ぞくっ!とピエロの背筋が凍る。
これも二日酔いのせいか?と呟く神田に、あー…とユキサが曖昧な返事を返した。

はい、と彩音が財布からお金を渡した時、地面がぐにゃりと歪んだ。
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