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【Dグレ夢】TRICOLORE【長編】

第25章 第二十四話 アレンを追って


「…モヤシと、お前のおかげで、俺はあいつとあの人との約束を叶えることは出来たんだ」

顔を上げた神田が自分の首からネックレスを外す。
それはユキサがアルマにつけてあげたもの。
…元々は、神田がユキサにあげたもの。

そのネックレスを、ユキサの首へとつけた。

「これは俺がお前にあげたやつだ。…もう人にあげるなよ」
「…。神田…」
「さっきも言ったが、俺は神田ユウとしてエクソシストになるって決めたんだ」

だから、と神田がユキサをベッドへと押し倒す。
油断してたユキサが少し慌てたように神田の体を押し返すがびくともしない。

「だから、神田ユウとして、…一人の男として、お前を愛し抜く」
「は…っ?え!?……っ!?!?」

にやりと意地悪そうに笑った神田が、ユキサに深く口付けた。

―――――神田ユウとして。
神田は亡くなったエクソシストの思いで『あの人』を探していた。
だから今度は、そのエクソシストではなく自分の意志で。

「ん、ん…っ、ちょ、かん…!!」

キスの合間に神田を呼ぶが、神田はユキサへのキスをやめない。
既に口内はいいように翻弄され、ユキサは次第に何も考えられなくなっていった。

今日だけでこんなに深いキスを2回も体験する事になるとは。
それも、諦めて…手放したはずの、愛しい人からのキス…。

堪らずユキサからくぐもった甘い声が漏れた時、やっと神田が唇を離した。

「……それで、お前は何を隠してる?」
「!」

至近距離のまま神田の瞳に見つめられて、キスの余韻でぼーっとしていたユキサがハッと我に返る。
一瞬バツの悪そうな顔をして、なんのこと?と神田から視線をそらした。
そんなユキサを見て神田は眉間に皺を寄せる。

「装備型の時も今回も…、六幻に何かしていただろ」
「……あの、」
「さっき老師の所で何をした?ここで一体何をしてる?」
「……神田…」
「モヤシが覚醒した時、……おまえは「神田!!」」

神田の言葉を遮るようにしてユキサが神田の名を呼んだ。
なおもその青い瞳で見つめてくる神田に、ユキサは小さくため息をついた。
正直に言うと言いたくはない。
だが神田は見逃してくれないだろう。
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