第25章 第二十四話 アレンを追って
その様子を見ながらふふっと彩音が笑ったが、ルベリエの一言にその場が凍りつく。
「アルマ=カルマは死んだのかね?遺体は…彼はどこに眠っているのです?」
「…何も話すつもりはない。俺は教団を許したワケじゃないんでな」
神田の鋭い視線を受けながら、ふ…とルベリエが笑う。
だったらなぜ教団に戻ってきたのか。
せっかくアレンが反逆の罪を負ってまで神田とアルマを隠したというのに…。
ルベリエの言葉を無視して、神田はズゥの元へと向かった。
「ズゥ爺っさま…来たよ」
ベッドに伏せて泣いていたバクが顔を上げてズゥに話しかける。
ズゥはうっすらと目を開けて、神田を見つめた。
「少し前から寝たきりになってな…。これが六幻だ」
バクの言葉に神田がズゥに抱えられている六幻を見る。
六幻は酷く錆びついている状態だった。
しかしズゥの願いで、一時的にアジア支部で預かっていた。
バクの言葉を遮るように、なぜ戻ってきた…と弱々しいズゥの声が聞こえた。
「アルマ…あの子との戦いで、お前の体はもう…」
自分でも、分かっているのだろう?という言葉に、神田は何も喋らない。
「私、だったんだ……」
ズゥがぽつりと話し始めた。
教団が聖戦の大義名分の元に行ってきた使徒増強の人体実験。
それら全てを指揮して、その忌むべき歴史を始めたのは、ズゥだった。
「昔の私は…中央庁での権力に固執し、傲慢で残酷だった」
チャン家の地位のため、多くの人を苦しめ…。
トゥイたちは、ズゥが始めた過ちを引き継ぐしかなかった。
「私なんだ。本当に罪深い悪魔は………私………」
神田が何も言わずに六幻を持つズゥの手に自らの手を重ねる。
瞬間、ズゥの視界に蓮華の花が咲き誇った。
目を見開いて驚くズゥに、神田がニヤリと笑った。
「じゃぁ、『あんたも』地獄行きだな」
「っ…。そう、だな…!!」
起きろ、六幻。
神田がそう言った瞬間、六幻が光り輝いた。