第24章 第二十三話 記憶<メモリア>
「いた…!」
大きなティムキャンピーを見つけ、ユキサはそこへと向かう。
その先で、アレンと共にいるティキと目が合った。
なんで…ティキがここに…!?
「アレン!!」
「ユキサ!?」
大鎌を出現させて、ティキへと振り下ろす。
攻撃を読んでいたかのようにすんなりかわすと、ティキは戦う気はないとでもいうように両手を上げた。
アレンの近くへ降りたユキサが、アレンに抱かれているロードとティキを睨む。
「どういうこと?アレンを攫ったの?」
「ち、違うんだユキサ。これには深い事情が…ッ!?」
慌てたように言ったアレンの左腕が、突然発動した。
バカ、止めろ!とティキも慌ててアレンへ駆け寄る。
何が何だか分からないユキサがその様子を見ていたが、ふいにアレンが一方向を見て、体を硬直させた。
「アポクリフォス…ッ!」
「?」
「左腕が奴に知らせてるのか…!」
斬り落としてやるよ、とティキがアレンの左腕を掴む。
アレンは咄嗟にティキから逃れた。
なんで逃げんだよとティキがアレンを睨んだ。
近づくな、と後退るアレンにティキが言葉を続ける。
「おまえはバカか?アポクリフォス、アレが清純な神の結晶に見えたか?あの化け物が」
その化け物にまだ縋る気か?と言ったティキに、アレンが歯を噛みしめる。
「おまえ達ノアだってたいして変わらないじゃないか!しかもAKUMAを従えて人を殺しまくってる分、はるかにタチが悪い」
「…あんさんがそれ云いますかぁ」
ため息混じりに返したティキの言葉に、アレンがはい!?と怒鳴る。
そのタチの悪いノアメモリーと神の結晶。
2つの化け物を身に宿して、しまいにはあの気色悪いアポクリ野郎に合体されそうになってる『おまえ』が。
自分がなんなのか知らず、弁えもしない。
ただ周りに混乱と争いをバラまいてる。
「おまえこそ一番タチが悪いんじゃないのか、アレン・ウォーカー」