第24章 第二十三話　記憶＜メモリア＞

「くっ…！！」
「不二！」

トクサを相手にしていた不二が、ドサリとその場に倒れた。
トクサを破壊しないようにイノセンスを使わずに戦っていたが、さすがに限界が訪れる。

サードエクソシストが咆哮を上げた。

にくい、憎い…教団が憎いぃぃぃ！！！

「アルマの怨念が…消えてない！？」
「アレン・ウォーカー！！重大な背信行為だ。自分が何をしたか分かってるのかね！？アルマ＝カルマを神田ユウと共に逃がすとは…！！」

アルマを破壊しなければサードエクソシストを止められない。

「キミはみすみす救える命を、サードエクソシスト計画を潰すつもりかね！！」
「…その命を、あなたたちが弄んでいるくせに」

小さく呟いて、ダッとユキサが空を飛ぶ。
アレンもそれに続いて、トクサへ向かった。

『アルマ＝カルマはとっくに死んでますヨ♪あれはもはや、怨念だけで呻吟っているのデス』

アルマ＝カルマの悲しみはそれ程までに深かったということでショウ。
伯爵の言葉にバクが肩を落とし、レニーが悔しさに歯を食いしばった。

ルベリエが立ち上がってアレンに向かって叫ぶ。

「伯爵の言葉など信じるものか…っ！サードエクソシスト計画はなんとしても必要なのだ…！」

これは命令だ。
直ちにゲートでアルマを破壊しに行くのです！

「行かねば貴様はもうエクソシストではない！！」
「『黙れ』」

グッとルベリエの口が閉じられる。
ユキサがルベリエに言霊を使って強制的に黙らせたのだ。

―――――お前は人間でさえないよ。

「ユキサ……？」

ボソリと呟いたユキサの言葉が聞こえ、不二がユキサの様子に戸惑いの表情を浮かべた。



「トクサ！目を…目を覚ませ！！！」

キミはアルマじゃない。
これはただのアルマ細胞だ、キミの体なんだよ！！
きっと制御できる、キミは僕なんかよりずっと優れた戦士じゃないか…！