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【Dグレ夢】TRICOLORE【長編】

第3章 第二話 マテールの亡霊


「おい!しっかりしろ!」

揺さぶるとゲホッと咳込み、砂を吐き出した。
砂の中に囚われていた時間はそこまで長くないようだった。

「か、んださ…ん」

ユキサは咳き込みながら痛みに耐えながら、体を起こす。
そうして、イノセンスを発動した。

「彼の者の、傷を癒やし給え…」
「これは…?」

ふわり、と神田の体が光に包まれた。
傷が癒やされていく。

「あとは…おねが、い…」



一方、アレンは武器の形状を剣に変え、AKUMAの砂の衣を剥がした。
続けて銃に変えて、AKUMAを圧倒している。

「ク、クッソー!同じ武器なのに、なんでやられそうなんだよォォ!!」

AKUMAはアレンの左腕を使って銃弾を防いでいるが、徐々に腕が崩れていく。
能力を奪ったとはいえ所詮はコピー。
イノセンスと強くシンクロできるのは、その持ち主だ。

このままAKUMAを倒し切る―――――。
AKUMAの断末魔が響いたその時だった。

「がはっ…」

アレンがその場に吐血した。
進化したイノセンスに、体がついていけなくてリバウンドしてしまったのだ。
その隙を好機と、AKUMAがアレンへ襲いかかる。

六幻を構えた神田が、風を切った。



「この…根性無しが!こんな時にへばんな!!そんなんじゃ、一生モヤシだ!」

2人を守るとかほざいたのはお前だろ!とアレンを庇いながら神田が叫ぶ。
ハッとアレンは顔を上げた。

「お前みたいに甘いやつは大嫌いだが…口にしたことを守らないやつは、もっと嫌いだ!」

神田の言葉に、どっちにしろ嫌いなんじゃないですか…と呟いたアレン。
だがその瞳は覚悟を決めていた。

休んでいただけです、と強がっているアレンにいちいちムカつくやつだ、と悪態をつく神田。
その2人を見ていたユキサは、もう大丈夫だと安心して意識が薄れていく。

「消し飛べえええぇぇ!!!!」

そうして2人の声を最後に、意識を飛ばしたのだった。

AKUMAはその場から消え去り、そこにはイノセンスだけが残った―――――。
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