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【Dグレ夢】TRICOLORE【長編】

第3章 第二話 マテールの亡霊


「あっ…!!」

ララの小さな悲鳴に全員がそちらを向くとそこには…。
胸を貫かれたグゾルとララの姿があったーーーーー。

ドォン!と大きな衝撃が走り、2人は砂の中へ連れ込まれた。
アレンの伸ばした腕は2人には届かなかった。

砂の中を這い回る音に、警戒する。
不二は彩音を連れて部屋を出た。

「周助!」
「しっ…僕たちは邪魔になるだけだよ」

何も出来ない自分たちはただの足手まといだ。
少し離れた所から、2人は様子を伺う事にした。

それから少しして、AKUMAが砂から飛び出してくる。

「イノセンス、もーらい!」

ドサリ、とその場に落ちたのはグゾルとララの姿だった。
それを見た瞬間、アレンがゆっくりとAKUMAに向かって歩き出す。

「よくも…グゾルを…ララを…」

返せ、そのイノセンスを…。
アレンの怒りに反応するように、左腕のイノセンスが蠢く。

ーーーーー返せ!!!!

グワ、と禍々しい殺気がアレンを包む。
イノセンスの形状が変化するのを、神田とトマは見ていた。
だがイノセンスが出来上がる前に、アレンは大きく飛んだ。

「馬鹿!まだ武器の造形ができていないのに!!」

叫ぶ神田をよそに、アレンはイノセンスを構えた。
作られたのは、銃だった。

無数の銃弾がAKUMAに降り注いだ。
だがそこに、AKUMAの姿はない。

「ヒャハハハ!!そんなんで砂になってる私は壊せないヨ!」

周りの地面に潜りながら言うAKUMA。
そのままアレンの足元から這い出て、アレンを飲み込んでしまった。

「ウォーカー殿!!」
「大丈夫だ、アイツの殺気が消えてない」



捕われたアレンはそのまま中から撃とうとした。
しかしそこで、ふと手が何かに当たる。
ハッとしたアレンはそれを引っ張り出して抱えたまま、中からイノセンスを撃った。

大きな爆発音と共に中からアレンが飛び出してきた。
右腕に、ユキサを抱えながら。

「神田、ユキサをお願いします」

そう言ってすぐにアレンはAKUMAの元へ戻る。
姿が見えず、AKUMAがやってきたためユキサはやられたのかと思っていた。
体中は傷だらけだった。
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