第24章 第二十三話 記憶<メモリア>
「これで最期だよ、ユウ…っ!!」
「アルマ…」
顔を歪ませながら、死んで!と叫んだアルマが攻撃を放つ。
だがその瞬間、倒れたアレンから物凄いエネルギーが放たれた。
「なんだ…!?モヤシ!?」
吹き飛ばされた神田が態勢を立て直しながら、アレンを見る。
同じく吹き飛ばされたアルマが壁に叩きつけられたのに気づいて、神田が駆け寄ってアルマを受け止めた。
『ふふふふふ………っ』
不気味な声が辺りに響き渡る。
ビリビリと空気が揺れ、地鳴りが起こる。
一体何が…と一同が困惑していると、千年伯爵の声が響いた。
『ありがとウ、神田ユウ♪覚醒デスヨ!』
神田がイノセンスでアレンを傷つけたために、アレンの中にいる14番目が完全に呼び起こされた。
ノアはイノセンスへの憎しみを決して忘れない。
傷つけられれば傷つけられる程、憎しみは吹き出す。
「俺が…あいつを…!?」
「ちが、う…」
ハッと神田がユキサを見た。
違う、違う、違う。
呟きながらユキサがアレンに手を伸ばす。
悪いのは……いつだって。
―――――なら、あたしがイノセンスも千年伯爵も壊すよ。
「ッ…!!!アレン!!!目を覚まして!」
ユキサがアレンの腕を強く掴んだ時、アレンの左目が大きく反応した。
そうしてアレンが、神田とアルマの姿を捉える。
『やめて…みないで…』
アルマの中に宿る魂が、涙を流す。
それは、神田がずっと探していた『あの人』で…。
「アルマ、キミは…!!」
「言うなぁあぁ!!」