第24章 第二十三話 記憶<メモリア>
「神田ぁぁ!!!!」
「全部、お前のせいだろが、ノア野郎…っ!!!」
――――お前さえいなければ…!!
「お前なんかに…っ、俺の何が解んだよ!!」
「破滅ノ爪<エッジ・エンド>!!」
「五幻・爆魄斬!!!」
力と力がぶつかり合う。
それを見ながら、アルマは手を上げた。
「邪魔を、しないで…」
「アルマ…!」
「時間がないんだ…!」
ダメ!とユキサが制する前にアルマがアレンに攻撃を放つ。
まともに食らったアレンがアルマを見ると、アルマは辛そうに涙を流していた。
ユキサもアルマのその表情に唇を噛む。
ふわりと羽を生やしたユキサは、神田とアレンへと向かった。
「神田あぁぁ!!ただアルマを破壊するだけで…それで本当に、終われるんですかぁぁあ!!!」
「ッ…!!!!」
アレンの叫びと同時に、ユキサが2人の間に割り込む。
その瞬間、アレンを庇うように立ったユキサの体を六幻が貫いた。
「ぐっ…」
六幻を両手で掴んだが、それは後ろにいるアレンをも貫いてしまっていた。
我に返ったかのように、ゆっくりと目を見開いた神田の頬に、ユキサは手を伸ばした。
「ちゃん、と…アルマの顔、を…み、て…」
「そう、ですよ…神田…」
なんであんな辛そうな顔をするのか…。
殺したいほど憎んでいるはずなのに、どうしてあんな顔で戦っているのか。
「「私(僕)じゃ全然、分からないから…」」
アレンがユキサを片手で抱え、もう片方の手で神田を突き飛ばす。
ユキサの首にかかっているネックレスが小さく揺れるのを、神田は見た。
血を流しながら倒れる2人の名を、神田が小さく呼んだ。
「…、ユキサ…っ」
ぅ…っと小さく呻き声を漏らすユキサに、アレンが手を伸ばす。
名を呼びながらユキサの手を掴んだ時、アレンの心臓がドクンと大きな音を立てた。
アレンの体が、ノアのように変色していく。