第24章 第二十三話 記憶<メモリア>
「神田?なんですかその変な顔は」
「どけよ」
「今まで見た中で一番おかしな顔ですよ?」
なんでそんな顔してアルマを斬ってるんです!?
叫んだアレンに、神田が怒鳴り返した。
「何の真似かって…きいてんだよッ!!!」
「まずい…下がって、2人とも!!」
アレンとアルマを背後に庇って、ユキサがシールドを発動した。
瞬間、神田の攻撃が放たれる。
「五幻・烈閃爪!!!」
「くっ!!」
バリンッ!とシールドが破壊される。
そのまま3人は、神田の六幻に斬り裂かれた。
「ぐはぁっ!!!」
神田の六幻がアルマの体を貫く。
近くに吹き飛ばされたユキサが神田を止めようと立ち上がるが、足から血が吹き出した。
同じようにしてアレンも肩から血が溢れ出る。
「うそだろ…?神田…。アレンとユキサを、本気で斬ったのか…っ!?」
リーバーが驚きに声を上げた。
「尽き果てろぉ!!!」
アルマの手から莫大なエネルギーが放たれ、神田を襲う。
死ね、死ね!とアルマが涙を流しながら叫んだ。
そのアルマの手を、ガッとアレンが抑える。
ユキサは神田へと駆け寄って癒しの言霊を唱えた。
「どうしてなんです…?」
アレンやユキサがノアに視せられたように、アルマも視たはずだ。
9年前、神田が生きることを選んだ理由を。
「それでも、許せないのか!?…くっ!?」
叫んだアレンを、アルマが尻尾で捕らえた。
なんなんだよ、お前…とアルマが言う。
「お前も、そこの女も…ユウのトモダチ?」
許せないのかだって?当たり前じゃない。