第24章 第二十三話 記憶<メモリア>
彩音の言葉に続いたのは、ユキサだった。
全員のダメージを請け負って、ユキサ自身はボロボロだった。
それでも、諦めない。
最後まで抗い続ける。
「うるさいって」
ティキが彩音に向かって攻撃を放った。
咄嗟に剣を構えた彩音の前に、ふわりと白が舞い降りる。
ティキの攻撃を弾いたのは、アレンだった。
「ごめん。彩音、ユキサ…」
何か吹っ切れたように謝ったアレン。
その強い瞳を見て、もう大丈夫かなと彩音は思った。
「ッ…アルマが神田を、ユウを殺したいはずない…!あの子を助けられるとしたら、ユウだけよ!」
「アレン、行って!ユキサと一緒に、神田とアルマを止めて!」
レニーの言葉に続いた彩音がティキは私が相手をするからと言い、アレンは小さくお礼を言って走り出した。
「五幻式!!!消えろ、アルマぁぁ!!!!」
「ぐっ…がぁぁっ!!!」
神田の六幻とアルマのエネルギーがぶつかり合う。
AKUMAは内蔵された魂のフラストレーションで進化する。
憎めば憎むほど力が溢れてくる。
イノセンスなんかより断然楽チンだね、とアルマは笑った。
「……す」
「ん?なに?」
ボソリと呟かれた言葉は、次にははっきりと聞こえた。
壊す、壊すと…神田が強くアルマを睨む。
ダンッと神田がアルマへ向かって飛んだ時。
ユキサがアルマを引き、その前でアレンが退魔の剣で六幻を受け止めた。
「…何の真似だ」
神田の鋭い視線に、アレンがえ~と…とにこりと笑った。