第24章 第二十三話 記憶<メモリア>
「神田…!アルマと戦ってはダメ!」
「あいつは俺が壊す」
「私がなんとかするから…お願いだから殺してはダメ!」
神田!と呼んだユキサの声を無視して、神田はアルマへと向かっていってしまった。
『さあ、我らノアと共に来なさイ、アレン』
再び聞こえてきた声に、彩音がぐっと唇を噛んだ。
どうして…?だってアレンは、14番目は、伯爵を殺したがっているのに…!
そう疑問を投げかければ、伯爵からすぐに返答があった。
「そばにいたいから」
―――――我輩は、14番目の傍にいたい…。
「トクサ!ごめん!」
ザンッと不二が全員を捕らえている体を斬り落とした。
そうして不二はグングニルの発動を解き、アレンへ言った。
「僕と彩音がサードを抑える!その間にアレンはアルマの元に…!」
「………」
「アレン!」
アレンからの反応がない。
トクサからの攻撃を避けながら不二がアレンを呼ぶがアレンは俯いたままだった。
まさか…と彩音がアレンへ駆け寄った。
「アレン、伯爵の誘いに乗るつもり…?」
「…。9年前の、アルマと神田の過去を見たよ」
アルマを鎮めたい、でも。
「アルマは教団や神田への憎しみでAKUMAになったんだ…!救いようがないよ…っ」
「!アレン、危なっ…!!」
ガキィン!と彩音が剣で受け止めたが、力の差で地面に叩きつけられた。
攻撃してきたティキが、心は決まったみたいだなとアレンに手を伸ばす。
アレンがその手を取ろうとした時、起き上がった彩音が叫んだ。
「アレンのバカ!!なんでそんな事言うの!?アレンはその両手で、みんな救うんじゃなかったの!?」
「ッ!彩音…?」
「救うのだって簡単じゃない、でもだからって諦めるの!?」
「アレン。私は諦めないよ」