第24章 第二十三話 記憶<メモリア>
「ぐっ…!!」
「あ、ぁ…ッ!!」
再生魔法をかけているユキサも、痛みに顔を歪ませる。
神田とユキサの目の前に、蓮華の花が舞った。
―――待ってるね。ずっと…待ってる。
「かん、だ…聞いて、アルマ、は…」
「キミ、ユウのなんなの?」
ユキサが神田へ声をかけたが、ふわりとアルマがユキサの前に降り立った。
アルマを見上げて、私は味方だと伝える。
「あなたを、助けたい…アルマ」
「ぼくを助ける?キミが?」
「わた、しには…記憶をあやつる力が…ある、の…」
ぴくりとアルマが反応する。
だがすぐにユキサを冷たい眼差しで見下ろした。
「それで?ぼくの記憶でも操作して、ユウと戦うのをやめろって?」
「アル、マ…」
「余計なお世話だね、そんなの。ぼくはユウを殺したいんだ」
邪魔しないでよとユキサに手を翳す。
ダメだアルマ!もうこれ以上殺すな!!とバクが叫んだ。
その姿に、アルマの怨念がエドガー博士?と呼びかける。
「バクさ…っ!!」
「うわああああ!!!」
アルマの怨念が、バクへと襲いかかった。
周囲にいる団員たちも巻き込んで。
『憎いよぉ…エドガー博士もみんなみんな、ぼくらを壊した奴ら全部!!!』
「この声は、アルマ…ッ!」
「くっ…トクサ!アルマの怨念にのみこまれるな…!!」
アレンがそう言ったが、トクサはふいにアレンを見つめて、ぽつりと言葉を漏らした。
「キミ、だぁれ?」
バキッとアレンの足が折られる。
ぐあぁぁぁ!!というアレンの悲鳴が響き、ユキサも痛みを耐えるようにして唇を噛む。
アルマの攻撃が放たれる瞬間、神田がユキサを抱えて避けた。
離れた場所へ降ろし、もう動くなと言う神田に、ユキサが首を振る。