第24章 第二十三話 記憶<メモリア>
不二がグングニルを押さえて、彩音もイチイバルの弓を別の方向へと打った。
3人の様子を見て、トクサが絶望の表情を浮かべた。
「使徒さま…?私を、破壊するのですか…?」
「そんな事、しないッ…!」
「イノセンスは我々を…ッ!敵と見做したのですか!?」
かぁっ!!とアルマの口から高エネルギーが放たれる。
神田が三幻式発動して、避けてアルマへと飛び込んだ。
六幻を振り下ろし、アルマのイノセンスとぶつかり合う。
「格好良くなったね、ユウ。どんな生活だった?ひとり生き延びた気分はどうだった?」
四幻式!と神田が発動して、アルマを斬った。
トモダチは、いるの…?というアルマの言葉にも、神田は何も喋らない。
「神田…ッ!バカ!!何バカ正直に戦ってるんだよ!!」
「アレンッ!前…!」
彩音の言葉に振り返った時、アレンにトクサの攻撃が襲いかかった。
私は敵じゃない…というトクサの弱々しい言葉に、彩音と不二も唇を噛む。
トクサを破壊なんてできない…!
そう思った時だった。
『来なさイ。14番目』
辺りに響いた千年伯爵の声。
14番目が自分の元に来るというのなら、この見世物をやめてやると。
『アレン…お前が望むなら、アルマとサードエクソシストの体内から我輩が【ダークマター】を消し去ってあげまショウ♪』
全員が驚きに目を見開いた。
神田が何かを耐えるようにして俯く。
その様子を見ていたユキサがゆっくりと立ち上がった。
「ははははっ!【ダークマター】?そんな事どうだっていいよ。元の体に戻ったってぼくの怨念が消えるワケじゃないんだしさ…」
ユウが死んでくれれば、それでいいんだよぉッ!!
アルマの攻撃が神田へ向けて放たれたと同時に、ユキサが神田を突き飛ばす。
「く、あぁぁぁ!!!!」
「ユキサ!?」
その場に倒れるユキサに神田が駆け寄ろうとしたが、そこに更にアルマの攻撃が放たれた。
口から出された鋭い槍状の棘が神田の体を貫く。