第24章 第二十三話　記憶＜メモリア＞

「トクサの札…！？」

無事なのかと探せば、アレンを庇ったトクサの姿があった。
両腕も無く足も折られているのに…！
２人はすぐにアレンとトクサの元へ向かう。

だがその時、トクサの体に異変が起こった。



煙が晴れると見えた姿に、アルマがユウ…？と呼んだ。
神田は黙ってアルマを見つめている。
ユメを見た、とアルマが話し始めた。

「ユウが、どうしてぼくを裏切ったのか…やっとわかったよ…」

ぼくは、ぼくだけを破壊したユウを恨んだ。

「ユウが生きたせいで、人間共は悔い改めなかった」

神田が生き残ってAKUMAを倒していることで、人間たちはまた同じ事を繰り返した。
あのまま死ぬはずだった体はAKUMAの卵核を埋め込まれ、こうしてAKUMAになってしまった。

「ユウのせいで、ボクはAKUMAになっちゃった！！」
「…だったら、破壊してやるよ」



「トクサ！？」

トクサの体にアルマの憎しみが現れる。
アルマの憎しみに飲み込まれていくトクサが、アレンへ攻撃を放った。
壁に叩きつけられたアレンに、彩音と不二が慌てて駆けつける。

『許セナイイィィィ！！！！』
「アルマのAKUMA化に共鳴してる…！？」
「いやだぁ、マダラオ…！助けに来てくれ…！！！」

トクサの悲痛の叫びに、千年伯爵が答えた。

『フフフ…呼んでも無駄ですヨ第三エクソシスト。お前達は皆、アルマ＝カルマと共に葬られる運命なのデス』

エクソシストの手によってネ！
伯爵の言葉にそんな事するわけ…！と彩音が言ったが、アレンが突然左手のイノセンスを発動した。
斬り裂かれたトクサが叫び声を上げる。
AKUMAに反応するように、彩音と不二のイノセンスも勝手に発動する。

「なっ…どうして！？」
「止まって、イチイバル！？」