第24章 第二十三話 記憶<メモリア>
「なんだ、コレ…!アルマ!?」
「目覚めるアルマの憎悪が体内の卵核のエネルギーに変換されてるのだ…!!」
リーバーの言葉に、ユキサが彩音を不二に預けて神田の元に走る。
ヒールを唱えながら神田の名を呼んだ。
「神田!起きて、神田!!」
「まずいよアレン!!アルマ=カルマがAKUMAになっちゃうよ―――!!」
「そんな…っ!!」
カッとアルマが眩い光を放った。
「みんな…!!」
「ッ…リジェネレイト…!!」
ドンッ!!!!と大地に轟音が響いた。
「ぐっ…」
ユキサが呻き声を上げた。
体中にAKUMAウイルス特有の痣が出現する。
咄嗟に言霊を発動したものの、その場の全員とはいかなかった。
自分が把握していた人物たちのみにかけたが、それでも人数が多い。
全員分の傷を受けて少しずつ治癒はしているが、耐えきれずその場に吐血した。
ゆっくりと、包んでいた羽を広げて立ち上がるが、ぐらりと体が傾く。
とさりと、誰かがその体を支えた。
「神田…?」
「ここにいろ」
そのまま地面へと座らされ、神田が背を向けた。
違う、神田…だめ…!!
手を伸ばすが意識が朦朧とし始める。
伝えたい事が、あるのに…。
意識は飛ばさないまま、ユキサは治癒のために体を休めた。
「うっ…周助、大丈夫?」
「あぁ…ユキサの再生魔法かな…」
AKUMAウイルスを受けたはずだが、傷も含めてすっかり治っている。
周囲を見渡せば、何人かはユキサの再生魔法で生き延びているようだった。
その周りには札も飛んでいる。