第23章 第二十二話 アルマ・カルマ
ずっとアルマが一度だけ会った事があるという女の子。
シンクロテストが辛くて泣いてた時に。
あ、もしかしてとアルマがにやりと意地悪そうに笑った。
「もしかして、ユウも泣いてたの?」
「チガウ!!」
「えぇ~?慰めてもらってたんじゃないの~~~?」
明らかに楽しんでいるアルマに、ちげぇよ!と蹴りを入れた。
どうやらキレたであろうユウが、不満をぶつける。
と、アルマもユウに蹴りを入れた。
お互い悪口を言い罵り合う2人。
殴り合いに発展したが、2人の体はまだ脆い。
すぐに体中から血が吹き出た。
いってぇぇぇぇ!!!と叫びながら2人はその場に倒れた。
ちょっとタンマ…賛成…と2人の意見が一致する。
流れる血を見ながら、2人は笑いだした。
「笑ってんじゃねーよキモアルマ」
「うるさいネクラ。だってこれ、血出過ぎ…!」
この世界は暗くてひどく息がしづらい。
でもこの瞬間、お前みたいに笑ってみたら、少し息が楽になった気がした。
―――――アルマ。俺がおまえを破壊したのは、それから193日後だった。
「…こんな実験を、9年前にしていたなんて」
それも神田が、とアレンが呟くがユキサは首を振った。
アレンはまだ知らない、この実験にはもっと深い闇があることを。
アレン、と名を呼んだ。
「きっとここから先は、もっと辛くなる。私が傍にいるから、心を強く持ってね」
「! ……」
ユキサがアレンの手を握りしめる。
その手を、アレンもギュッと握り返した。
ここは、どこだ…?
『ハナビラが落ちる前に…』
またアイツだ。