第23章 第二十二話 アルマ・カルマ
『き… …か… 』
なんだよ、よく聞こえねぇ…。
ガバッとユウが起き上がる。
また変な夢を見たとユウが自分の手を見つめていた。
「またうなされてたね…」
ごめん起こしたかと言ったユウに、気にするなとアルマが言う。
「もうすぐ朝の時間だし、ちょっと早いけど行く?」
朝一番に胎中室の、眠っている仲間たちに会いに行く。
1人1人の名を呼びながら、まだ目覚めない仲間たちに向かって、たわいない話をする。
それがアルマの日課だった。
ユウはそれに付き合うようになった。
「わぁ~~~~さっぶ!!!フユってやつだだだだ!!」
「あぁ?ダレだよよよ!」
「外の世界にはフユってやつがいて、そいつがさぶくするんだ」
「めめめ迷惑なヤローだ」
負けじとみんなおはよう~~~!とアルマが駆け出す。
しかし足元が凍っておりその場に盛大に転んだ。
そんなアルマを見てユウが大笑いした。
まよねーずってゆうのがおいしくて~とアルマがあれこれ話し始める。
よく喋るやつだとユウはその様子を静かに見ていた。
「マヨネーズ…アルマはマヨネーズが好きなんですね」
「アレン、お腹鳴ってる」
食べ物の話をするアルマに感化されて、お腹が空いてきたアレン。
だがその時、再びユウの傍に白い影が降り立った。
気づいたユウが叫ぶ。
『ハナビラが、落ちる前に…』
「なんだんだよおまえ…っ!俺になんの用だ!!」
「ユウ!?」
アルマが慌ててユウに駆け寄る。
ユウはそのまま倒れ、意識を手放した。