第23章 第二十二話 アルマ・カルマ
バッ!とユウが振り返った場所と同じ方を見るユキサ。
追ってアレンも揺らめく白い影に、ユキサへ問いかけた。
ユキサが、ぽつりとアレンの問いに答える。
「…。神田が、ずっと探してる人」
「え…?」
俯いたユキサの表情は、アレンには分からなかった。
ぶえっくしょん!というアルマのくしゃみで2人はハッとする。
ユウもそちらを向いて、心底嫌そうな顔をした。
「あ、いたいた!レニーくん、アルマいたよ~」
『やっぱり…またユウを追いかけていったんですね』
通信から聞こえてきた会話は、どうやらアルマが姿を消したからどこに行ったのかというものだったようだ。
「あ、あのさっ!ぼくも一緒に…」
柱の陰からユウへ話しかけようとしたアルマだったが、そのアルマの横を通り抜けてユウは行ってしまう。
「あ!ユウ!アルマまだ喋ってるじゃないか!!」
止めるエドガーの言葉もユウは聞く耳持たず去っていってしまう。
一緒に、はなしを…とアルマがその場にずるずると座り込んだ。
そのまま泣き出してしまったアルマを、エドガーが慰める。
―――――アルマ。気持ち悪いやつ。
いつもヘラヘラ笑って、いつもいつも。
………こんな所で。
バシュッ!とユウの体から血が吹き出る。
それを悲痛な面持ちで見つめるアレンとユキサ。
イノセンスとのシンクロを何度も何度も試される。
第二エクソシストは治癒能力があるため、そうして実験が行われてきたのだ。
『アルマ、心拍停止しました。再生まで約420秒』
「(アル、マ…?あいつも…やってんのか…)」
ユウが再びシンクロを始める。
上手くシンクロせずまたその場に倒れた。
「くそったれいのせんす…」
「ちくしょう、寝れねぇ…」