第23章 第二十二話 アルマ・カルマ
すみませんとアルマが謝る。
「だけどぼく、ただユウと一緒に…」
「キモイんだよおまえ!俺のあとばっかついてきやがってストーカーかよ!死ねッこの××××野郎!!」
再び喧嘩になる2人を、職員たちが慌てて止めに入った。
××××なんて、いったいどこで覚えてきたんだろうと呆れる大人たち。
「1人でいたがるところや、ベタベタされるのが嫌いなのは昔からなんですね」
「だね」
アレンとユキサがそんな会話をしながらユウを見つめていた。
ユウが目覚めたそこは、黒の教団のアジア第六研究所と呼ばれている場所だった。
悪性兵器AKUMA、千年伯爵、エクソシスト、イノセンス。
生まれた理由も、生きる理由も、すべてが用意された御戸代の世界だった。
エドガーに連れられて、自分が眠っていた場所へと連れてこられたユウ。
「この穴全部が?」
「そう。キミと同じ使徒が眠ってる」
「…あんたたち人間も穴から生まれるのか?」
疑問をぶつけられてエドガーが否定する。
人間はお母さんのお腹から生まれてくると言われておかあさん?と首を傾げるユウ。
「そうだなぁ~…トゥイ支部長はさ、お母さんなんだぞ」
エドガーの言葉に、ユウが驚きに目を見開く。
あんた、支部長から生まれたのか…というユウの言葉に、慌ててエドガーが訂正した。
「支部長が生んだのは私の子供で!私はお父さん!」
「おと…?それはナニする奴だ?」
えーと、それはつまり人間は男と女が愛し合うことで~とエドガーが言いにくそうにしながらユウに説明する。
だがその途中で通信が入り、エドガーは話を止めた。
「あいしあう…?」
ぽつりと呟いたユウの後ろで、女性の白い影が揺らめく。
『それって、まるで私たちみたいだね』
「あの人…!」
「ユキサ?…知ってるのあの人…」