第22章 第二十一話 第三使徒計画
Jordan、午前2時53分。
巨大なAKUMAに激しく吠える犬の鳴き声とともに、孫をたすけてくれと叫ぶ老人の姿。
そこへふわりとアレンが降り立った。
退魔の剣を振りかざし、AKUMAを斬り捨てる。
AKUMAに捕らえられていた少女が落ちていくが、不二がその体を受け止めた。
ありがとうと紡がれた言葉に、不二がどういたしましてと微笑んだ。
各地でAKUMAが一斉に暴れだしたと連絡が本部に連絡が入った。
それぞれ手分けをして、方舟で各地に飛んでAKUMAと交戦中だ。
『AKUMA依然増殖してます。本部から伝令。陣営に戻れウォーカー、小鳥遊、不二。態勢を立て直す』
それぞれ通信機とゴーレムから聞こえる声に、彩音は辺りを見回した。
アレン、不二、彩音は同じチームに居るのだが、陣営からかなり離れてしまっている。
更には次々と出てくるAKUMAが邪魔をして思うように動く事が出来ない。
アレンの背後に迫ったAKUMAへ、彩音が矢を打ち込んだ。
なおも増え続けるAKUMAたちに、アレンが退魔の剣を掲げ、叫ぶ。
「破壊咆哮<デス・ボール>!!!」
周囲にいたAKUMAたちが次々と爆発していった。
ガクリと膝をついたアレンに不二が慌てて駆け寄るが、大丈夫だとアレンが手で制す。
『結界部隊!AKUMA抑えられません!エクソシストは至急陣営に退避を…』
「アレン!AKUMAが多すぎる…!」
「不二!彩音!怪我人を連れてここから逃げれますか!?僕がなんとかAKUMAたちを引き付けます!」
「1人じゃ無茶だよ!!」
彩音がそう言った時、崖の上から2人の人物が降り立った。
護羽という言葉と共に、3人の周りに札が浮く。
「サード!?」
「喰機開闢孔<ガキカイビャクコウ>!!」
地面へと放たれたその技が、蟻地獄のようにAKUMAたちを飲み込んでいった。
なんだこの黒い影は!?とAKUMAたちが慌てながら藻掻くが、体は沈んでいく。
「地獄への孔ですよ。喰われろ鉄クズ共」
トクサの冷たい声音が響いた。
「あれ?化物が消えちゃった…」