第21章 第二十話 14番目
「おま、えも…ささっ…てる、よ…」
「これは邪悪なモノだけを斬る退魔の剣だ…ノアやAKUMAにしか効かない…ッ!?」
「アレン!?」
様子がおかしいアレンに不二が声をかけた時、アレンの口から血が溢れた。
瞬間、アレンの叫び声が辺りに響き渡った。
「神ノ道化<クラウン・クラウン>があいつに効いてる!?」
カッとAKUMAの口が光り出した。
きえちゃえ!と言ったAKUMAへ、アレンがそっと手を伸ばす。
『オ ハ ヨ ウ』
「のぁ…っ」
パンッと音がして、レベル4の周りを浮遊していた水球が割れた。
ふわりとアレンの元へ、ユキサが落ちてくる。
そんなユキサを見て一瞬目を見開いたアレンが優しい眼差しを向け、小さく何かを呟いて…。
ユキサの唇へ、己の唇を押し付けた。
ドッ…!とアレンの横に刀が刺さる。
唇を放したアレンがちらりと視線を移し、レベル4を貫いた六幻を見た。
強くアレンを睨みながら、バカモヤシ!!と神田が叫ぶ。
瞬間、アレンがぐっと退魔の剣を握った。
「「おおおぉぉぉ!!!!」」
刺さった六幻と退魔の剣がAKUMAの体を斬り裂いた。
「オイ」
「………」
「アレンだっていってんでしょ」
ちらりとアレンを見て、神田が大きく舌打ちをした。
先程の事など無かったかのように、平然とアレンはユキサへ声をかけている。
神田がアレンの手から奪うようにユキサを抱き上げた。
「ちょっと神田!あまり激しく動かさない方が…」
「うるせぇよ」
なんでそんな不機嫌なんだとアレンは解せない様子だったが、ユキサの事となればいつもこうかとアレンは勝手に納得する。
ユキサの様子を見ながら、神田はもう一度舌打ちをした。
「彩音…大丈夫かい?」