第21章 第二十話　１４番目

AKUMAの体が翳した鴉の手に吸い込まれていく。
マダラオ…？と呟いたリンクへ、鴉の男がゆっくりと振り返った。

「鴉のお前が…何故…？」



「ばかな…どうやってけっかいをやぶった…」

「新手のエクソシストか…？」
「まいったな。本気で今日はいいとこナシですよ…」
「てめーがいつまでもあっち気にして集中しねェからだろタコ」
「神田うるさい」
「２人ともこんな時に喧嘩はダメだよ」
「不二、テメェもだ」
「僕も？それを言うなら神田こそ」

ぎゃあぎゃあと言い合いをしながらも、ギロリと３人がレベル４を睨みつけた。
しぶといなぁ…とレベル４が不気味に笑った。

アレンがレベル４に向かって走る。
そこへレベル４が弾丸を撃った。
瞬時に退魔の剣で弾いたアレンを飛び越えて、神田が六幻を振る。

「三幻式、爆魄斬！！」
「はぁっ！！」

神田の攻撃に合わせ、不二も背後からAKUMAを斬りつけた。
斬ったのと同時に、神田へAKUMAの弾丸が撃たれる。
受け取れ…！という神田の言葉と共に、AKUMAの斬り裂いた所が爆発した。

同時にアレンが駆け出し、退魔の剣を振りかざす。
しかしそれはAKUMAが歯で受け止めてしまった。

「歯っ！？！？」

驚きに一瞬気を取られたアレンが、AKUMAに蹴り飛ばされた。

「しねしねしねしね！！！」

連続で放たれる弾丸を、咄嗟に体を起こしたアレンが避けるように走った。
しかし避けきれず、その場に立ち止まる。
地面に転がった退魔の剣が、スゥ…と持ち上がった。

「神ノ道化＜クラウン・クラウン＞！！」

アレンの叫びと同時に、退魔の剣がAKUMAを背後から貫いた。
その勢いのままアレンごと壁へ突き刺さる。
ばかか…とAKUMAが呟いた。