第21章 第二十話 14番目
「くっ…」
避けきれずにまともに食らう。
しかしAKUMAはレベル4、簡単には殺られない。
長期戦になりそうとユキサが思った時、背後で爆音が響いた。
「なに!?」
「ふふふ、あくまはわたしたちだけではないよ」
「まさか!」
「アレン!!」
ダッとアレンが建物へ向かおうとする。
ダメだ!と不二の制止は間に合わず、気が逸れたアレンに向かってAKUMAが弾丸を撃ち込んだ。
咄嗟に庇った不二が弾き返しきれずにその身に受けてしまう。
「不二!」
「くっ…」
―――当たってしまった。
再生魔法のおかげでAKUMAウイルスは浄化されてはいるが…。
ちらりとユキサを見ると、一瞬痛みに顔を歪ませる。
「たにんをきにかけるよゆうがあるの?」
「くそ…!」
「アレン、周助!私が行く!!」
タッと走ったのは彩音だ。
そこへ銃弾が向けられるが、咄嗟にユキサがシールドで弾く。
まだAKUMAがいるのなら、多少無理をしてでもやるしか無い、とユキサは言霊を紡ぐ。
「『フルキャパシティ・ブースト』!!」
「ユキサ!」
自身の体が光りだしたと同時に、神田は大きく舌打ちをした。
この言霊は莫大な力が宿る代わりに、解けた後の反動が大きい。
それをこの人数にかければ、戦いの後ユキサは…。
「不二、モヤシ。さっさと終わらせるぞ」
「アレンです」
「分かってる」
使ったしまった時点でもう手遅れだ。
ならばなるべく体力を温存させたまま解かせたい。
神田は二幻刀を発動させ、地を蹴った。
「リンク…!ッ!?」
「あ?エクソシストか…!」