第21章 第二十話 14番目
神田がそう言った時、ガルマーの部下が予告状を持ってやってきた。
こうして現在、予告状に書かれた国宝『リージェント』が展示されているルーブル美術館でアレンたちは待機しているところだ。
午前0時…。
鳴り響いた警報に神田とユキサは振り返った。
同時にガシャーン!と窓ガラスが割れる。
神田が飛び出してきた怪盗Gの先回りをし、調子に乗りながら後ろ向きで歩いてくる怪盗Gの体に六幻を引っ掛けた。
盛大に転んだ怪盗Gの手から離れた国宝をユキサが飛んで受け取る。
「よぉコソ泥、ちょっとツラ貸せよ」
そう言って走った神田が大きく飛んで、怪盗Gに容赦なく蹴りを入れた。
倒れて動かなくなった怪盗Gの傍で、確保と神田が言う。
まてぃ!と駆け付けたガルマーに、コイツはもらっていくと言って神田が怪盗Gを引きずっていった。
「これは返しますね」
ユキサが近くにいた警官に国宝を手渡す。
そうして神田の所へ向かおうとした時、キィン!とイノセンスの気配を感じ取った。
「ここどこ…?な、なんだよこの格好!?オレ、どうして!?」
「神田!上!!」
神田が引きずっていた怪盗Gが戸惑ったように言った時、ユキサが屋根の上を指を差して神田を呼んだ。
そこには高笑いをする怪盗Gの姿があった。
「残念だったね諸君!私は絶対捕まらないのだよー!」
「どうなってやがる!?」
「彩音、不二!アレン側の屋根に!」
『了解!』
神田、と手を伸ばしたユキサの腕を、神田が掴む。
すぐに屋根の上へ飛ぶと、そこにはアレンに蹴り飛ばされた怪盗Gの姿が。
王冠は絶対に壊さないようにとリンクに言われて額を聞いたアレンが、死んでも傷つけない!と焦ったように言った。
ユキサは屋根の上へと神田を降ろす。
「なんだよ…お前ら、警察…?」
「違うけど、君を捕まえようとしてるのは同じかな」
不二が言いながら彩音と共にやってくる。
へぇ…と呟いた怪盗Gが、ユキサの方へ国宝を投げた。