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【Dグレ夢】TRICOLORE【長編】

第21章 第二十話 14番目


そう思いながら目を閉じた時。
ドンッ!と銃声が聞こえたような気がした。
ハッと目を開く。

「…?気のせい…?」

特に騒がしい気配もなく、ユキサは首を傾げた。

しかしそれから間もなくして、クロスが何者かに殺されたという情報がもたらされた。



数日後。

「アレン、大丈夫かな…」
「まさかクロス元帥がね…」

彩音と不二が言いながら前を歩いていた。
その後ろを、ユキサと神田が着いて歩く。
クロスが殺され、その後遺体と共に消えた。
その事態を知ってから4人はアレンとは一度も会っていない。

4人は今、コムイに呼ばれて司令室へ向かっている所だった。
新しい本部にも慣れてきて、司令室の場所もちゃんと分かっている。

ユキサは2人の後ろを着いて歩いているが、俯き加減で足取りが少し危うかった。
名前を呼ばれて顔を上げると、自分の名前を呼んだ神田と目が合う。

「…転ぶぞ、前を見て歩け」
「……うん……」

言われて前を見るが、ユキサの瞳はどこか虚ろだ。
小さく舌打ちをして、神田がユキサの手を握って引っ張っていく。

そうして4人は司令室に到着し、扉をノックした。

「入って」
「失礼します、コムイさん…。…!!」

部屋に入ってすぐ、目の前に立っている人物に不二が言葉を詰まらせた。
アレン…という彩音の呼びかけと同時に、ユキサが神田の手を離してアレンに駆け寄る。

「アレン!」
「…!ユキサ?」

腕にしがみついてきたユキサに少し驚きながら、どうしたんですか?と困ったように微笑むアレン。
それを見てユキサの表情が苦しそうに歪んだ。
大丈夫ですよとユキサの頭を撫で、アレンがにっこりと微笑む。

「…。私が、その場にいれば…」
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