第20章 第十九話 黒の教団壊滅事件再び!?
「こ、これは…」
「うさぎの耳…。完全に薬の効果が消えたわけじゃなかったんだね…」
彩音にうさぎ耳とうさぎの尻尾が生えてしまった。
2人がはぁーーー…と大きくため息をついた時だ。
どうかしたの!?とバタンッ!と勢いよく扉が開き、慌てた様子の不二が入ってきた。
「今悲鳴と音が…って…」
「きゃぁぁぁ!」
彩音がユキサごとガバッと布団を被る。
ごめん!と謝罪をして、不二が扉を閉めた。
実は彩音は今全身裸だった。
先程まで動物の姿だったから、服なんて着ていない。
とりあえず…とユキサがベッドから抜け出し、扉越しに不二へと声をかけた。
「不二…彩音、動物の姿じゃなくなったんだけど、耳と尻尾が生えてる状態で…」
「う、うん…そう、みたいだね…」
「とりあえず彩音の部屋から服を持ってくるから、不二は部屋の前でそのまま待っててくれる?」
わかったよ、と言う返事を聞いて、ユキサはコートを被って部屋から出た。
彩音の部屋から適当に服を持って、ユキサが部屋に戻ってきた。
彩音がすぐに着替えて、不二を部屋に招く。
「ごめんね、彩音…」
「う、ううん!気にしないで…」
ぎこちない空気の2人。
どうしたものか…とユキサが考えた時、そろそろ夕食の時間だよね!と彩音が言った。
部屋に持ってこようか?と不二が聞き、ユキサと彩音が顔を見合わせる。
彩音のうさぎの姿が戻ったにしろ、まだ2人は完全に治りきってはいない。
「お願いしてもいいかな?ユキサの部屋で食べるのも迷惑だろうし、私も部屋に戻っておくね」
運んでくる不二が面倒じゃないかとユキサは聞いたが、ユキサの部屋に寄ってから彩音の部屋に行くから大丈夫だと不二は答えた。
「じゃぁ…簡単なもので大丈夫だから、お願いします」
「分かったよ。それじゃぁまたあとで」
部屋を出ていく不二に続こうと立ち上がった彩音に、ユキサがコートを渡す。
彩音の部屋までは少しだけ距離があるから被っておいた方が良いと。
ありがとうと受け取って、彩音は部屋を出た。