第20章 第十九話 黒の教団壊滅事件再び!?
ドゴーーーーーン!と大きな衝撃が走る。
元帥たちの攻撃が容赦がない。
吹き飛ばされたアレンたちは、元帥と団員たちに取り囲まれた。
「スノウ!!」
ユキサがそう呼んで、バッと羽を広げて神田を抱える。
スノーベルは彩音をポイッと不二の頭に乗せて、気を失っている不二を咥えて飛んだ。
「ユキサ!アレンたちが…!!」
「アレン…ッ!」
名を呼ばれてアレンが立ち上がろうとした時、ソカロがその首へとかぶりついた。
その瞬間、あ、終わったな…と4人は思った。
「教団の外に逃げるしか…!」
「待って!」
ユキサの言葉に彩音があっちから声がすると言った。
見れば亡者に囲まれながらコムイとリナリーが何か喋っている。
「リナの様子、おかしくないか?」
「化けて出なくてもとか言ってるけど…もしかして本当にお化け?」
彩音が少し身震いした時、不二がうっすらと目を開ける。
最初に目に入ったのがおびただしい数の亡者たちで一瞬ビクリとしたが、状況を思い出して息を吐いた。
頭の上から大丈夫?と声をかけてきた彩音に、大丈夫だと不二が答える。
その時、コムリンEXが動いた。
コムイとリナリーへ襲いかかろうとしたクロウリーの首に、注射が刺さる。
元に戻ったクロウリーを見ておおと感動した4人だったが、次の瞬間ソカロによってコムリンEXが破壊された。
「コムリンEXうぅぅぅーーーー!!!」
「うん…そうだよね。元帥に敵うわけがないよね…」
コムイの叫び声を聞きながら、彩音が言いながらそっと視線を外した。
事情を知らないクロウリーもラビに駆け寄って噛まれ、再び亡者の仲間入り。
くるりとユキサとスノーベルが背を向けた。
そして力の限り全力で逃げる。
「ユキサ!どこに行くの!?」
「外へ逃げてもこの事態を終わらせられない!アジア支部に応援を…!!」
「!?後ろだ!!」
―――――大きな白い影。
「どこへいくんですか?ユキサ…」