第20章 第十九話 黒の教団壊滅事件再び!?
特に胸と…というところまで言いかけてやめたが、バッチリ聞こえていたようでリナリーはというと少し落ち込んでいたそうな。
彩音はうさぎの姿でかなり小さいので、踏まれないように安全な所にいるようにとサイドテーブルの上に置かれている。
近くにはユキサと彩音と不二のゴーレムがいた。
ユキサは仕方ないと尻尾分の穴をあけたショートパンツに履き替えている。
「いいか!…これ以上は絶対に気をつけて…」
こういう事は何度もあるものだ。
リーバーが言ったと同時にミランダの小さな悲鳴が聞こえ、ボンッと音がする。
またやった!?と全員がそちらを向いた。
そこにはニャーという猫語しか喋れなくなったリナリーとブックマンの姿があった。
「誰がこんなもの作ったーーーー!?」
「じじいキモイさーーーー!!!!」
「ごごごごめんなさいいいいい!!私も猫になってお詫びを…!!」
元凶のミランダが乱心するのを、アレンとマリが必死になって止めた。
じじいはヤバイけどリナリーは許せるから良いんじゃね?と呑気に言うラビを神田が殴る。
リナリーが猫語しか喋れなくなったなど、コムイに知られようものなら…。
「殺される!!!!」
「もうイヤだ、科学班のお引越し…」
ぐったりと頭を抱えるアレンの横で、ユキサが飲んだら猫セットだねと言う彩音。
じゃぁ飲んでみる?と楽しくなってきたらしいユキサが言うが、やめておこうかと不二に全力で止められた。
「まさかもっとヤバイ劇薬とかあるんじゃないでしょーね?」
「や、所詮俺らごときが作るもんだし、そんな常識はずれなの作んないよ」
アレンに問われたリーバーが答えたが、十分はずれてんだよ…と神田がげんなりした表情で呟いた。
コムイが作るものはもっと危険らしく、それらは倉庫にあるから大丈夫とジョニーが言った時だ。
ふっ…と辺りが真っ暗になる。
「停電?」
不二が辺りを見回した時、ヒヒヒヒ…と不気味な声が響き渡る。
「な、なに!?」
「声…?」
「おっ、おっ、おばけ!?」
怯えたミランダの言葉にビクリと震えたアレンとラビがまさかと言った。
コムイの悪ふざけだろと神田は言ったが、声がどこからしているか分からないとマリが焦ったように言うのを聞いて、一同は青ざめる。