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【Dグレ夢】TRICOLORE【長編】

第3章 第二話 マテールの亡霊


金髪の少女、ララとグゾルと向き合う神田。
ララに手を差し出し、引き上げながら、その横にいる2人にも視線を向けた。

「…それで、お前たちはなんだ?」
「あの…」

無愛想な態度を取る神田に、彩音は戸惑う。
なんて答えたらいいだろう、と考えている所に、不二がスッと彩音の視界を遮るように前へ出た。

「この戦闘に巻き込まれた一般人です」
「一般人が何故こんなところにいる」
「それには深い訳があるんですが…。今はそんな余裕は無いですよね?」

ニコリ、と微笑んでいる不二。
だが、纏う空気は穏やかなものではない。
チッと舌打ちをして神田は4人を連れてその場を離れた。



一方アレンたちはと言うと…。

空を飛んでAKUMAの引き付けるティムキャンピー。
AKUMAはあと1体残っている。
アレンとユキサは、建物内に隠れていた。
大丈夫かな、とハラハラしながら見守るユキサをよそに、アレンはタイミングを見計らっている。

バッ!とアレンが飛び出した。

「くっ…!!」

攻撃は外れた。
AKUMAからの弾丸が撃ち込まれる瞬間、アレンは暖かい温もりに包まれた。

辺りに大きな音が鳴り響く。
地面に打ち付けられたアレンは痛みを堪えながら体を起こした。
ハッとしたアレンは、自分に覆いかぶさっているユキサの肩を揺さぶる。

「ユキサ!ユキサ!!」

AKUMAの攻撃からアレンを庇ったのはユキサだった。
身を挺して庇ったせいで、AKUMAの弾丸を受けてしまった。
体にアクマウイルス特有の痕が浮かび上がる。

「ッ…!そんな…」

アレンの表情が、絶望に変わっていく。
しかしふと、ウイルスの痕が進行を止めた。
そのまま徐々に痕は消えていく。

「これは…」

僕と一緒…?
寄生型のイノセンスを持つ者は、アクマウイルスを浄化できる。

ユキサのイノセンスが寄生型かどうかは分からなかったのだが、とりあえずウイルスの痕跡が消えていき、ホッと安心した。
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