第19章 第十八話 本部襲撃
ブンッ!と戦斧を横一閃へと振る。
先程アレンが刺した大剣の傷にそって、AKUMAの体が真っ二つに割れた。
さらに銃弾が撃たれた箇所からはぼこぼこと体が膨らんでいった。
醜い悲鳴をあげながら、AKUMAの体が変形していく。
そうだ、理由だったなとクロスが思い出したかのように口を開いた。
一発は教団の連中の分ってことにしてやろう、一応な。
そう言ったクロスは続いて黒い笑みを浮かべた。
「だが残りは…オレの服を台無しにした分だ」
高笑いをしたクロスに、4人が呆気にとられる。
その時、AKUMAが動いた。
「お、お、おおおお……っ!!!」
「上に逃れるつもりだっ!シャッターを閉めろ、ヘブラスカ!」
ルベリエが咄嗟に叫ぶが、間に合わないとヘブラスカの声が響く。
道化ノ帯<クラウン・ベルト>!という言葉と共に、ふわっ…と羽が舞った。
「ユキサ…!」
「いい加減、終わっときなさい」
アレンがベルトで引き止めてもなお上へ上がろうとするAKUMAの前に回り込み、羽を背中から足へ移した。
重力に従って落ちる体を一回転させ、全身の力を込めてAKUMAへ踵を落とす。
それを受け止めたAKUMAだったが、衝撃に落下していく。
「「はああああああ!!!!」」
ドンッと大きな音が響いた。
AKUMAの体を、アレンとリナリーそして彩音の矢が貫く。
「ちくしょう…くやしいなぁ…でも、いっぱいころしてやったよ、はくしゃくさま…」
AKUMAの体が爆発する。
ごろごろとクロスの傍に、AKUMAの首だけが転がってきた。
「くははははっいいきにならないでくださいね。ぼくていどをはかいしたくらいで」
おまえたちなんていつでもほろぼせる。
「かつのは、われわれなのだ!!」
クロスのくしゃみとともに銃声が響いた。
おっと、サンプルにするつもりだったのに、とクロスが笑みを浮かべながら言った。