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【Dグレ夢】TRICOLORE【長編】

第19章 第十八話 本部襲撃


「いた…!」

今まさに、AKUMAの手がコムイへと伸ばされている。

「そのくび、えくそしすととおなじかちがあるのでしょう」

ユキサは背中の羽を足に移動させる。
スピードならばこちらの方が早く動けるからだ。
シンクロ率が下がるので、大鎌と言霊は発動しない。

ヒュッ…と風を切る気配がし、AKUMAが斬り飛ばされた。
しかしAKUMAを斬ったであろう剣はパラパラと崩れていった。

「チッ…コムイテメェ、武器庫もっと充実させとけよ」
「か、神田くん!?」
「大丈夫ですか、室長!」

チャオジーがコムイへと駆け寄った。
ダメージは入っていないが、後退したAKUMAに間髪入れずユキサも蹴りを食らわせる。
壁へと叩きつけられたAKUMAを、ファインダーたちがタリスマンで閉じ込めた。
ユキサに気づいた神田が、ユキサの怪我に目を見開いた。

「お前…」
「平気…」

眉を顰めた神田と呼吸を整えるユキサの耳に、AKUMAの笑い声が響く。
出てくるな…と神田がもう1本の剣を構えた。

「ユキサちゃん…!アレンくんたちは!?」
「アレンは重症を負ってる…。彩音と不二はあとから来るはず。他の人は…」

そこまで言って、ユキサがぐっと手を握りしめた。

「そんな…」
「…ここは私が。神田はコムイさんを連れて避難を…」
「チャオジー、行け」
「神田!!」

お前を残していけるかよと神田に言われてユキサの顔が苦しそうに歪む。
イノセンスがあったとしてもこのAKUMAには歯が立たないというのに…。

ザザッ…とコムイの通信機に通信が入った。
ヘブラスカからの通信だった。
自分がレベル4を引き付けるから、イノセンスを持って本部を脱出しろとの事だった。
幸い、方舟はまだアジア支部と繋がっている。

イノセンスさえあれば本部は立て直せる。

ぶつりとコムイが通信を切った。
何かに耐えるようにしてコムイが俯く。
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