第19章 第十八話 本部襲撃
ドサリと建物の内部部分へと2人は降ろされる。
そのまま彩音を運んだユキサも倒れ込んだ。
不二はスノーベルが運んでいた。
「ユキサ!!」
はあはあと息をするユキサの傷は酷かった。
治癒能力があるのにここまでとは…。
「救えなかった…」
「え…?」
「…彩音…」
呆然と呟いた不二の視線の先を、彩音が見る。
先程まで元帥たちや団員たち、マリやブックマン、ミランダがいた場所は地面が崩れ落ち、業火に包まれていた。
そんな…と彩音が力なく言った。
「このおくにもっとにんげんがいますね…」
大きな黒い壁を見ながら、AKUMAがにやりと笑った。
ゴゴゴ…と壁が開かれる。
「やめろ………!!!」
アレンの悲痛な叫びが響き渡った。
『第五研究室壊滅、AKUMA研究室外に進行しました!数は1体、現在レベル4に進化した模様。第五研究室内のエクソシストの安否は確認できません』
『AKUMAが第五研究室を抜け出しました。現在、科学班フロアへ進行中』
続く言葉にユキサが顔を上げた。
「…彩音、不二。私は先に行く」
「分かった…気をつけて」
私たちもすぐに行くからと彩音が言った。
本当は止めたかった、けれどAKUMAは止まらないのだ。
戦える自分たちが戦わなくてはならない。
羽のイノセンスを発動させ、ユキサは飛んだ。
「彩音、アレンの所に行こう」
「うん」