• テキストサイズ

【Dグレ夢】TRICOLORE【長編】

第19章 第十八話 本部襲撃


「ユキサ!?」
「そうだ、わすれてました。ここはくろのきょうだんほんぶでしたね」

アレンがその声に振り返った。
そこに浮かぶAKUMAの姿を見て、アレンが口を押さえる。
内蔵された魂の酷さに、吐き気を覚えたアレンは涙を流した。

「さつりくへいき。ぼくのそんざいりゆうをじっこうさせてもらいましょう」
「さ、せるかぁぁぁぁ!!!」

ぐっと涙を拭って、アレンが左手でAKUMAへ襲いかかった。
しかし軽々と避けられ、AKUMAが指を弾いただけでアレンが吹き飛ばされる。

「がはっ!!!」
「アレン!?」

近くの壁へ叩きつけられたアレンを見て、彩音たちが驚愕した。
深い傷を負ったアレンは、イノセンスの発動が解けた。
ユキサの再生魔法も発動していないのを見て、アレンが飛ばされてきた方を不二が見る。

煙が晴れてくると見えた姿に、全員が息を呑んだ。

レベル4。
百年続く戦争の全てを記録してきたブックマンでさえレベル3までしか確認できていなかった。
つまり今この瞬間、すべての人類にとって…。
はじめてのレベル4との接触となった。

AKUMAが大きく口を開き、超音波のような鳴き声を発した。

「ぐっ…なん、だ…!?」
「あ、ああぁあ…!!!」

その場の全員が頭を抱えて膝をつく。
特に耳が良いマリはダメージが大きい。
クロスはなんとかマリアを使って体を無理矢理動かそうとしていたが、団員たちを守っていたティエドールの抱擁ノ庭が解かれていってしまう。
ん?とAKUMAが振り返った。

「まず、い…!!」
「ふふ、こんなところにたくさんひとがいますね」

気づいた不二が走り出そうとしたが、AKUMAの拳が抱擁ノ庭に振り下ろされた。
大きな衝撃が走り、地面が割れる。
その瞬間、彩音と不二は誰かに引き寄せられて体が浮いた。
/ 519ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp